タバコの煙の中に含まれるタールには数百種類もの発がん性物質が含まれ、肺がんだけではなく全身に色々な病気を引き起こします。

タバコのタールに含まれる発がん性物質

請求書 タバコは百害あって一利なし、と言われるほど身体に良くないものです。

良くないといわれている大きな理由の一つが、タバコ内にはおおよそ50種類以上もの発がん性物質が含まれていることです。

発がん性物質とは、体内に癌を作ってしまう可能性が高い化学物質のことで、人工的なものもあれば自然のものも両方あります。
その様々な発がん性物質を体内に取り込んでしまうと、DNAに傷が付いてしまいそこから癌細胞が生まれ様々内臓で繁殖&転移する恐れがあるのです。
摂取量に関しては種類によって異なり、大量に摂取しない限り影響を及ぼさないものもあれば、少量でも簡単にDNAを傷つけ癌を誘発する物質もあります。
毎日少しずつ吸っていても塵も積もれば山となって死亡率の高い病気の原因になることを考えると、非常に恐ろしい行為と言えます。

タバコのリスク タバコの中にはタールという数百種類もの有害物質が集まった物質が入っていて、一般的に「ヤニ」と呼ばれるこの物質の中に多くの発がん性物質が含まれています。
この有機物質が熱分解されることにより発生する油上の液体は粘り気を持ち、ニコチンを肺まで行き届かせる働きを持ちます。また粘性があるため肺や喉によくくっつきます。

タバコの煙による代表的な癌には第1に肺がんが上げられるのはそのためです。
他にも食道がんや胃がん、口腔がん、子宮頸がんなど、様々な癌を引き起こすことがわかっています。

癌だけではなく、タバコの煙は人体への発がん性が証明されている「発がん物質第1群」と分類されています。
この中には砒素やダイオキシン、カドミウム、アセトアルデヒド、アスベスト(石綿)など、ニュースで一度は聞いたことがある有害物質も多く含まれておりますので、タバコの煙=タールがどれほど危険かお分かりいただけると思います。

タバコの害により癌になる可能性が及ぶのは、喫煙者だけではありません。
非喫煙者でもタバコから出る副流煙を吸ってしまう受動喫煙によって、癌になる危険性がとても高まります。
特に癌の進行の早い子供や免疫力の弱い老人などは、その危険が特に強くなります。

健康被害の中でも、自分や周りへの癌の発症リスクが理由になって禁煙を決める人も少なくありません。
癌が発症する原因はいろいろありますが、タバコの煙が大きな原因になっていることは間違いないのです。特に受動喫煙は癌以外の悪影響もとても多いため、家族を守るために禁煙に成功した人も多くいます。
タバコの煙は一番はじめに遠ざけられる「癌の原因」ですので、禁煙外来に通ったり、通販でチャンピックスを買って自分で禁煙したりと、自分に合った方法で禁煙することが一番の癌の予防にもなります。

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タバコの煙による肺がんのリスクは5倍

癌 肺がんはタバコによって引き起こされる癌で最も多く出やすいものです。
加えて、ちょうど煙が当たる場所である喉や気管支も癌になりやすくなります。

肺がんの場合、非喫煙者と喫煙者との肺がん患者数の差は5倍もの違いがあります。

ただ肺がんや喉頭がんばかりクローズアップされていますが、実際には食道がんや胃がんをはじめ、全身にタバコの発がん性物質の悪影響が及びます。

タバコを吸って体内にタール=発がん性物質を取り入れても、すぐに癌になるわけではありません。
最初は変化が目に見えませんが、タバコの発がん性物質は徐々にジワジワと身体を蝕んでいきます。
そのため、気付いた時には身体のあちこちに癌ができてしまっていて、場合によっては手遅れになって手術もできない、という事も少なくありません。

タバコに含まれているニコチンには発がん性物質は含まれていませんが、ニコチンはとても強い依存性・中毒性を持つ神経毒です。タバコの禁断症状は、このニコチンによって引き起こされます。
ごく瞬間的にドーパミンを分泌させる働きがあるのでリラックスできた気になりますが、ニコチンがなければ禁断症状が出るような仕組みに身体が変えられただけなのです。
タバコ以外で満足が得られなくなり喫煙本数や頻度がエスカレートしていけば、自然と発がん性物質や一酸化炭素などの有毒物質が体内に溜まっていきます。

なお癌は発生する部位に限らず苦しいものですが、肺がんは特に治療が難しく苦しい最期を迎える癌です。
また肺がんになる人の85%は喫煙が原因とも言われています。

これは喫煙している本人だけではなく、受動喫煙の悪影響により非喫煙者も同様に癌の危険にさらされることになります。
特に若ければ若いほど発症や進行が早いので、親がヘビースモーカーの過程で子供が肺がんや咽頭がんなどにかかってしまうという事例も多く報告されています。

このように、癌になる危険が高いところだけを見てもタバコは寿命を縮めるものだということが分かります。

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タバコの煙によって発症率が上がる癌の種類

診察室 タバコを吸ってなる癌は肺がんだけではありません。
喉頭がんや咽頭がんのように直接タバコの煙が触れる場所だけではなく、食道がんや胃がん、膵がん、女性の場合は子宮頸がんなど、様々な場所の癌の発症リスクを高めます。

上記の癌は確実にタバコにより発症リスクが高まり、肝臓がんはほぼ確実に、大腸がんや乳がんはタバコが原因になる可能性があると考えられています。
他にも膀胱がんなどの全身の臓器に癌が発症する危険性があります。

日本の研究施設では、癌になった人のうち男性は30%、女性は5%がタバコが原因だと考えられています。また癌による死亡者のうち、男性は34%、女性は6%がタバコが原因だと考えられています。

もちろん癌はタバコの煙だけでなるものではありませんが、色々な原因の中で禁煙はすぐに取り組むことができて非常に有効な癌の予防方法になるのです。

タバコの有害性について研究が進むにつれ、発症率が大きく上がる癌についても国内外の様々な研究施設からデータが発表されてきました。
喫煙によって大きく死亡率の上がる癌は以下の通りです。
  • 喉頭・咽頭がん→非喫煙者の30倍
  • 肺がん→非喫煙者の4.5倍
  • 食道がん→非喫煙者の2.2倍
  • 胃がん→非喫煙者の1.5倍
  • 肝臓がん→非喫煙者の1.5倍
  • すい臓がん→非喫煙者の1.6倍
  • 膀胱がん→非喫煙者の1.6倍
これらの数字を見ただけでも、喫煙者の癌死亡リスクは非喫煙者の1.5〜30倍に上ることが分かります。

喉頭・咽頭がんの原因はタバコが60〜90%

レモン蜂蜜 タバコの煙によって発症率が上がる癌の内、肺がんと並んで死亡リスクが高いのが「喉頭・咽頭がん」です。
非喫煙者に比べて死亡リスクが30倍ととても高くなり、且つこの癌の原因の60〜90%がタバコであると発表されています。

咽頭は鼻の奥から食堂の入り口まで続く約13cmほどの長い管で、喉頭は咽頭の前側にあるノドぼとけ周辺の器官です。

どちらも口や鼻から吸った煙が一番はじめに触れる部分ですので、タバコの煙に含まれる発がん性物質の悪影響を一番に受けやすい場所になります。

特に喉頭がんは、かかった人の95%以上が喫煙者と言われるほどタバコと縁の深い癌です。

日本人でかかる人が増えている食道がん

揚げ物定食 近年、日本人の罹患率が増えている癌の一つが食道がんです。 食生活や嗜好品の欧米化が関係していると考えられますが、特に喫煙と飲酒が大きな発症リスクになることが分かっています。

食道は食べ物を胃に送るための通り道になり、タバコの煙やお酒など口から入ったものの影響を直接受けやすい器官です。

喫煙は胃酸が食道に逆流してくる「逆流性食道炎」の原因にもなり、食道がんの発症リスクをさらに高める可能性があります。
しかも食道自体が胃や肺などの器官に近く血管やリンパも多いことから、癌細胞が移転しやすく早期発見も難しくなっています。

早期発見が遅れると危険な癌の一つですので、発症率を下げるために少しでも早く禁煙することをオススメします。

タバコの煙+ピロリ菌感染が胃がんの発症率を上げる

腹痛 胃がんも喫煙によって発症リスクが高まる癌です。
かかった人の4人に1人が、タバコが大きな原因になっているという統計が出ています。

胃がんになる原因として一番知られているのはヘリコバクター・ピロリ菌の感染によるものですが、ピロリ菌を保菌した状態で喫煙すると、胃がんになる危険性は更に高まります。

理由は、ピロリ菌によって胃壁が薄くなっているところに唾液に含まれているタバコの発がん性物質が触れることで、弱っているその部分から癌化しやすくなるためです。

胃がんは医療の進歩によって死亡率が少しずつ減っていますが、それでも日本人がかかることの多い癌です。
喫煙することで胃がんのリスクは2.2倍に跳ね上がりますし、胃の上部に癌ができてしまった場合や、胃がんの中でも悪性と言われているスキルス胃がんでは胃を全摘出するしかないこともあります。
転移も多く腹膜やリンパ節へ癌が広がっていることもありますので、予防のためにもタバコを手放すことを検討してみてください。

喫煙と肝炎ウイルスの感染で肝臓がんの危険性が増す

酒 肝臓は腸で吸収された色々な栄養素を代謝し貯蔵したり、解毒や排泄など多くの機能を持つ器官です。
アルコールもここで分解され、過剰な飲酒で肝臓に負担がかかると様々な疾患を引き起こすことから、肝臓がんはタバコよりアルコールが原因になると考える人もいますが、喫煙すると肝臓がんのリスクが非喫煙者の1.5倍上がることからタバコによる発症リスクも高いことがわかります。

肝臓がんの大きな原因は、肝炎ウイルスによる感染です。日本においてはC型肝炎、次にB型肝炎のキャリアが多く、その人たちの一部が軽い肝炎から慢性肝炎、そして肝硬変を経て肝臓がんへと病状が移行していきます。
その期間は30年以上に渡ることもあるほど、ゆっくり進行していきます。

このため肺がんとは違いタバコが肝臓がんの直接的な原因になるわけではありませんが、肝炎ウイルスのキャリアの人が飲酒や喫煙をすると、通常よりも肝臓がんになる危険性が高まることが最近の研究でわかっています。

死亡率の高い膵臓がんは喫煙でなりやすい

タバコ すい臓がんは「癌の王様」と言われる癌です。癌の中では罹患する人の数はそこまで多くありませんが、進行が早く罹ったら99%は助からないという死亡率が極めて高い恐ろしい癌です。
この癌の原因は遺伝や糖尿病などが上げられますが、一番の要因が喫煙や飲酒などの生活習慣の乱れによるものです。

特に喫煙と飲酒どちらも習慣になっている人は、どちらもしない人と比べて65歳以下の場合2.2倍、65歳以上の人と比べてだと4.2倍も膵臓がんになる確率が上がります。

膵臓はサイズが小さい器官ですので、がん細胞がすぐに全体に広がっていく上に体の奥深くにあって症状が出にくい内臓です。そのため予後の悪い癌の代表で、気づいたときにはもう手遅れ、ということが珍しくないのです。

死亡率は高くてもかかってからすぐに死ぬわけでもはありませんし、その間は日々弱っていく体の苦痛を感じながら生きることになってしまいます。
膵臓がんのリスクは日頃の生活習慣でかなり低減できますので、癌を回避するためにも禁煙は一番はじめにできる対策です。

膀胱がんの原因の7割が喫煙

禁煙 膀胱がんは発症率こそ少ないものの、高齢層、特に60歳以上の男性に多くみられる癌です。

肺は咽頭、食道と違い膀胱はタバコの影響が及びにくい器官というイメージがあるかもしれませんが、実は膀胱がんの原因の7割がタバコの煙によるものだということが分かっています。

膀胱は尿を貯めておくための働きがありますので、その分尿中に含まれる成分の影響を受けることになります。
タバコの煙を吸い込んだ人の場合、有害物質が入った尿が膀胱に溜まることでそれだけ膀胱がんになるリスクが高まるのです。
初期症状で最も多く分かりやすいのは血尿ですが、これに痛みは伴いません。そのため、自分ではあまり深刻に受け止めず、手遅れになってから癌だと分かるということにもなりかねません。

免疫力が衰えるほど、癌の発症率は上がります。元々毒素を出すための器官が、その毒素によって病気になっては意味がありません。

鼻腔・副鼻腔がんもタバコの煙が原因でリスクが高まる

犬の鼻 鼻腔・副鼻腔がんは字の通り鼻にできる癌です。できた部位によって上顎洞がん、前頭洞がん、篩骨洞がん、蝶形骨洞がん、鼻腔がん、外鼻がんに分類されますが、鼻の癌の9割を占めるほど一番発症率が高いのが上顎洞がんで、次いで篩骨洞がんになります。

もともと鼻は吸った空気に含まれる色々な物質にさらされる器官なので、風邪などによる急性副鼻腔炎や好酸球性副鼻腔炎、蓄膿症と呼ばれる慢性副鼻腔炎などの炎症を起こしやすい部分です。
タバコの煙がそれらの原因、また悪化の原因になることはもちろんですが、煙の中に含まれる有害物質、特に発がん性物質に触れることで癌を発症するリスクも高いのです。

鼻の癌は症例が少ない癌の一つですが、それだけに喫煙年数が長く1日に吸う本数が多くなるほど、これらの癌になりやすい傾向があります。
副鼻腔炎自体、一度かかってしまうと完治が難しく慢性化しやすい症状ですが、喫煙でさらに悪化させやすく、さらには鼻腔・副鼻腔がんを発症する危険がデータとして出ています。

主流煙を吸う喫煙者だけではなく、副流煙を吸ってしまう受動喫煙が原因で癌が発症するリスクが高まることも分かっていますが、直接タバコの煙が触れる鼻の癌も周囲の人にとって大きな被害となるのです。

死亡率が2番目に高い子宮頸がんもタバコが大きな原因になる

妊婦 子宮頸がんは女性が罹りやすい癌ですが、発症率、死亡率共に2番目に高い恐ろしい癌です。

もともと妊娠中の喫煙や受動喫煙は母体にもお腹の赤ちゃんにも悪影響が高く、非常に危険な結果をまねく可能性があるものです。

子宮頸がんは他の癌と違いウイルス感染が主な感染源であるとわかっていますが、もし手術で癌を取り除いて治療したとしても、ウイルスが体内にわずかでも残っていたりタバコを吸えば吸うほど再発率が高くなることも知られています。

タバコに含まれる発がん性物質の恐ろしさ以前に、タバコの有害物質は血流を悪くし代謝を下げ全身の働きを悪くします。当然、免疫力もガクンと落ちますので、抵抗力がなくなり癌細胞を消すことができず繁殖させてしまうことになるのです。
特に子宮頸がんは初期の頃の自覚症状がまったくない癌の一つですので、症状が現われたときには手遅れになっていることもあるのです。

これは受動喫煙でも同じことです。
癌にならなくても、流産や早産の可能性、赤ちゃんの先天性異常の確率が高くなったり乳幼児の突然死の原因にもなったりと、特にデリケートな妊婦や赤ちゃんにとってタバコはとても恐ろしいものです。

タバコの煙で癌になる仕組み

煙 タバコの煙の中には主流煙・副流煙・呼出煙のいずれにも、タバコ自体に含まれるニコチンやタール、一酸化炭素などの他に、それらの成分が不完全燃焼してできる化合物が含まれています。
その種類は全部で約5.300種類にも及びますが、その中には多環芳香族炭化水素類(PAH)やたばこ特異的ニトロソアミン類をはじめとする、発がん性物質が約70種類含まれています。

こういった有害物質は一瞬で肺に到達し、血液に乗って酸素と一緒に全身の臓器に運ばれます。
それらベンゾピレンなどの発がん性物質が体内で活性型に変化すると、DNAと共有結合を起こしてDNA付加体を形成、このDNA付加体がDNA複製の際に突然変異やDNA鎖の断裂などの遺伝子変異を引き起こします。
その遺伝子変異が、がん遺伝子やがん抑制遺伝子、DNA修復遺伝子など体を正常に保つための遺伝子に積み重なっていくことで、細胞ががん化すると考えられています。
細胞ががん化すると、そこから異常を起こし正常な働きができなくなったがん細胞が増殖していき広がることで、臓器がマトモに働かなくなって人体に悪影響を及ぼします。

発がん性物質以外でもタバコの煙に含まれるニコチンやタールなどの有害物質が、血液の巡りを悪くし代謝や免疫力を下げるため、より癌が発症・増殖しやすい状態になってしまいます。
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